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2010.12.11 (Sat)

白石一文 砂の上のあなた

ちょっと寄り道して、個人的に気になった本を読む。

砂の上のあなた砂の上のあなた
(2010/09)
白石 一文

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ひとかけらでいい。僕が死んだら、愛する女性の骨と一緒に眠らせてほしい。最愛の父に愛人がいた…。見知らぬ男からもたらされたのは、娘が最も知りたくなかった事実。しかし亡き父の妄執は、35歳の主婦・美砂子の結婚生活にまで影を落としていく。ぬるく濁った世の中を貫けるのは、時間の流れをもねじ伏せるほどの「強い感情」だけなのか―。圧倒的長編小説。 (BOOKSより)

途中までは、面白いけれど普通というイメージの小説でした。
けれど、後半あたりから、登場人物同士の交友関係&血縁関係を洗い出し真実を明らかにしていく、少しミステリー色が入った展開になっています。
人間関係はスゴイの一言でした。主要登場人物がほぼ全員なんらかの形で相関図に含まれてゆくのです。次々と明らかになっていくくだりは、読んでると混乱してきます。普段ジャイは速読をしてるのですが、今回はじっくりと人間関係を理解するために読みました。

既に亡くなっている主人公の父がキーパーソンですが、圧倒的な存在感です。
直筆の手紙とわずかな過去のエピソードでしか、人柄を推測することはできません。
それなのに、小説を読んでいると、父の胸中に抱いていた気持ちが大波のように押し寄せてきます。
ザバーン
って、すみません。ボケるところじゃないんですけど~。
父が想い続けた、とある女性への愛が、世代を超越して様々な人間を巻き込んでいくのです。
まさに「因縁」。この小説にて、一番大きなテーマとなっています。

にしても、白石さんは男性なのに、女性の心理を書くのがうまいです。
「女が化粧をしておしゃれをするのは子供を産むため。男を誘うため。そういうのって超くだらないよね」
「結婚したら子供を作らなきゃいけないような雰囲気になるのは、昔から言われ無き女性への弾圧だって思ってた」
女性の心理がリアルに表現されている。それってもしかすると、男性側の心理もリアルに表現されているということか?
白石作品の男性は非常に独特な理論を展開することが多いのですが、世の男性も、頭の中ではこんな風に考えているのでしょうか??
よく「男は単純」って聞きますが。どうなんでしょう、男とは。

あとは「子供」についての考察も鋭い視点で書かれていました。
連れ子がいる再婚の場合、最初こそ連れ子を可愛がっていたものの、自分の子供が出来た途端に目もくれなくなってしまったというエピソード。
遠くの国で飢えたり戦争に巻き込まれたりしている子供がいるのに、自分の子供の幸福だけを祈っている矛盾。
自分の子供だけが子供じゃないのに。
おかしい気もするけど、これが多数派の真実でもあるわけです。全ての人に当てはまることではないですけど。
女性は子供を愛する生き物、とは断定できないのでしょう。
自分が産んだ子供については、やはり最大の責任が生じるわけで、何を差し置いても一番になるというのは当然の事かと思うのですけど。

最後に、この小説の残念なところを一つだけ。
とある計画を企てた悪い男二人が出てくるのですが、何らかの形で天誅を与えてほしかったです。彼らを含めた人間関係についての結末を書かなかったのは、わざとなのでしょうか。
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09:36  |  白石一文  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2010.11.02 (Tue)

白石一文 ほかならぬ人へ

ほかならぬ人へほかならぬ人へ
(2009/10/27)
白石 一文

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「ほかならぬ人へ」
二十七歳の宇津木明生は、財閥の家系に生まれた大学教授を父に持ち、学究の道に進んだ二人の兄を持つ、人も羨むエリート家系出身である。しかし、彼は胸のうちで、いつもこうつぶやいていた。「俺はきっと生まれそこなったんだ」。
サッカー好きの明生は周囲の反対を押し切ってスポーツ用品メーカーに就職し、また二年前に接待のため出かけた池袋のキャバクラで美人のなずなと出会い、これまた周囲の反対を押し切って彼女と結婚した。
しかし、なずなは突然明生に対して、「過去につき合っていた真一のことが気になって夜も眠れなくなった」と打ち明ける。真一というのは夫婦でパン屋を経営している二枚目の男だ。「少しだけ時間が欲しい。その間は私のことを忘れて欲しいの」となずなはいう。
その後、今度は真一の妻から明生に連絡が入る。彼女が言うには、妻のなずなと真一の関係は結婚後もずっと続いていたのだ、と。真一との間をなずなに対して問いただしたところ、なずなは逆上して遂に家出をしてしまう。
失意の明生は一方で、個人的な相談をするうちに、職場の先輩である三十三歳の東海倫子に惹かれていく。彼女は容姿こそお世辞にも美人とはいえないものの、営業テクニックから人間性に至るまで、とにかく信頼できる人物だった。
やがて、なずなの身に衝撃的な出来事が起こり、明生は…。

(アマゾン内容紹介より) 長っ!


白石一文さんはワタシの大好きな作家のひとりです。
そして今回読もうと思って選んだこの本は、去年の直木賞受賞作でした。
まー、別にどんな賞をもらってようと、ジャイにはあまり関係ないです。
白石一文を知らない人にしてみれば、読んでみようとする、いいきっかけになりますよね。
でもまた逆に、直木賞受賞作ってフィルターかけた状態で小説を読むっていうのは、良し悪しあると思うんだよなー。

白石一文の作品は「死」をテーマに取り上げることが多く、読んでいて「ああ~今回のも白石テイストもりもりだなあ」と感じることが多いのですが、今回は途中までそんな感じがなかったです。あれれ?と思いながら読んでくと、ああやっぱり・・・ 今回も「死」が出てきます。しかも、ネタバレになるからあまり書きませんが、ストーリーの中で一番明るく輝いている人が死んでしまいます。

物語の中で、主人公は「自分にベストの相手を見つけた人は、全員そういう証拠を手に入れているんだ。そういうベストを見つけられたら成功なんだよ」というセリフを口にします。
そして、最後の最後で主人公は、自分がその「ベスト」を無意識のうちに見つけていたことを知るのです。

紆余曲折あって運命の相手と結ばれるというのは、白石一文の別の作品「私という運命について」と似たようなところがあると思います。

白石作品の特長は、
バッドエンドではないのですが、ハッピーエンドと呼ぶほどハッピーではなく、しかし心の中に「これで良かったんだな、きっと」という、小さな花が咲くような・・・感じです。

いい小説です
前回読んだ小説と違って、おすすめです


全然関係ないですけど、今日車で出かけたら、運転席のクッションをどこかに落としてきてしまったぞー。
なんでそんなもの落とすのだ。
そしてなんで気付かん??
夫よ、ごめんなさい。同じクッション、どこかで見つかるといいなあ・・・

テーマ : 紹介したい本 - ジャンル : 本・雑誌

15:00  |  白石一文  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)
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