2017年08月 / 07月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09月

--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告

2011.01.28 (Fri)

重松清 なぎさの媚薬

海の見えるホテル (小学館文庫 し 5-1 なぎさの媚薬 1)海の見えるホテル (小学館文庫 し 5-1 なぎさの媚薬 1)
(2007/12/04)
重松 清

商品詳細を見る


渋谷の街に現われる娼婦・なぎさ。情事の後、彼女から渡される媚薬を服んだ男たちはみな、青春時代に戻り、当時憧れていた女性とセックスをする夢を見るという。しかし、どうしたらなぎさに会えるのかは誰も知らない。噂では、深い孤独を背負った男だけをなぎさが選ぶのだという。そしてなぎさは、仕事や生活に疲れ切った2人の男の前に姿を現わした。中学時代に行き初恋の同級生への思いを遂げた男の1人は、いう。「人生に疲れてしまったら、わかる。思い出の中に初恋のひとがいることが、そのひとの幸せを祈ることが、ささやかな生きる支えになるんだ」――。直木賞作家による"青春童貞小説"。 (内容紹介より)

ハードカバーで四冊も出ているシリーズ作品。なかなかの官能度と聞いていたので、非常に読みたかったワタクシ。図書館に置いてあったので、四冊のうち二冊を、既に昨年のうちに読んでいたのです。
おおお、おもしろいぞ!!!
残り二冊は別の人が借りていたのですが、何度見に行っても返却されておらず、「どこの誰だか知らんが、早く読めーーーーー」と言いたいところを我慢し、辛抱して待ちました。予約するのもちょっと恥ずかしかったんだよー。で、頑張って待った末、とうとう残りの二冊を手にしたジャイ。朝借りて、昼には読み終えていました。

ということで、四冊読んだところでの感想です。
確かにこれは、普通の小説より性描写が多く、それも色々なジャンル(?)のが出てきて非常にアダルトな仕上がりです。
でも、これは「官能小説」ではありません。
だって、官能小説と呼んでしまうと、「官能」の部分が主軸になるってことでしょう。
確かにページ数で考慮すると官能部分の多さは否定できません。が、根底にあるのは別のテーマなのです。
それに気付くと、小説を読んでも、全くドキドキする気持ちにならないのです。
ちなみに、結構えげつない性描写もあるため、読んでいて不快になることも。でも、小説風に言えば、ここで目をそらしちゃダメなんです。見せられることで、色々と考えさせられます。

突き詰めていくと、男と女はそれぞれが不完全な存在だということ。
この小説は、一人の女性の不幸な人生を、女性を愛した男が変えていくという物語です。不幸な人生の先に待つものは、死。それを一人の男が阻止するのです。
言い換えれば、男の存在ひとつで女は人生を変えていける。どんなことがあっても、強く乗り越えていける。それだけ、女にとっての男とは大きな存在なのです。
特に、三冊目の「エリカ」という女性は、本当に強かった。ジャイは読んでいて涙が止まらなかったです。
女は、男によって強くなりました。
また、女を救った男も、現実世界において生きる希望を見出したのです。
このテーマを書ききるために、官能は絶対に欠かせない。必要エロと言ったところだろうか?

余談になりますが、救うのが「過去の女性」というところで感じたことを一つ。
男性は、昔好きになった、または付き合った女性のことを結構鮮明に覚えているものではないでしょうか(って、ジャイの思い込みでしょうか)
この小説がもし「女が、過去に愛した男の人生を救う」という逆の設定だったら、女はわざわざ助けに行くだろうか?と思ったりしました。って、こりゃひどい感想だ。
スポンサーサイト

テーマ : 最近読んだ本 - ジャンル : 本・雑誌

09:38  |  重松清  |  コメント(2)

2010.12.19 (Sun)

重松清 とんび

オススメ小説、出ました。

とんびとんび
(2008/10/31)
重松 清

商品詳細を見る


つらいときは、ここに帰ってくればいい。昭和37年、ヤスさん28歳の秋、長男アキラが生まれた。愛妻・美佐子さんと、我が子の成長を見守る日々は、幼い頃に親と離別したヤスさんにとって、ようやく手に入れた「家族」のぬくもりだった。しかし、その幸福は、突然の悲劇によって打ち砕かれてしまう―。我が子の幸せだけを願いながら悪戦苦闘する父親の、喜びと哀しみを丹念に描き上げた、重松清渾身の長編小説。(BOOKSより)

感動しました。
息子アキラが産まれてから28年間の長い年月が紡ぐ物語です。
奇しくも、28歳という年齢は主人公のヤスさんが父親になった年齢と同じです。

共感できる箇所がたくさんあって、「わかる~この気持ち!」と誰もが感じるはずです。
反抗期の頃って、親戚や知り合いのお見舞いに行くのが、何となく恥ずかしかったりしませんでしたか。
私はそうでしたね… 今では平気なのに、ほんと不思議ですけど。

涙腺を刺激する箇所がたくさん出てきます。
個人的な意見ですが、感動を与えてくれる一番のキーマンは、実はヤスさんやアキラではなく、
海雲和尚という登場人物だと思います。
和尚が、海でヤスさんと小さいアキラに話したこと。
成人式を迎えたアキラに託された、和尚からの手紙。
特に、手紙の内容を読んだら、おそらくこの小説を読んだ読者のうち8割の方は泣くでしょう。
(ちなみに私は、この内容を後から思い出しただけでも泣きます。)

どんな人間でも、他人から支えられて生きてきたはず。
改めて、人間の愛って偉大だなと感じます。

小説の中で、ヤスさんは「やりたい放題」の父親でした。
読んでいて眉をひそめたくなるような、自分のことしか考えていない父親そのものでした。
子供は必ず親から巣立っていくし、親の希望通りの人生を歩むわけがないのです。
そのはずなのに、子供が望む生き方に賛同できないお父さん。
何度もアキラと衝突し、アキラを傷つけ、自分も傷ついているヤスさん。
ヤスさん自身が未だ親になりきれていないのだ、という印象でした。序盤では。

けれども、それが変わっていくのです。
年月が過ぎ、多くの出来事を経て、ヤスさんは親になりました。
小説のラストで、アキラは、ある事情を持つフィアンセを連れてきます。
正直、自分がヤスさんの立場だったら、受け入れるのにかなりの時間がかかると思いました。
いや、もしかしたら、結婚自体許せないかもしれないな。
それでもヤスさんは違いました。
アキラの選んだ女性だから、アキラに惚れてくれた女性だからと、フィアンセを受け入れたのです。
受け入れたのは、フィアンセだけではありません。
あまり喋るとネタバレになって面白くありませんが、健介という男の子をヤスさんは本当に心から愛します。
どうしてそんなことができるんだろう。
私がヤスさんに追い抜かれた瞬間でした。

ヤスさんとアキラだけでなく、脇を固める登場人物が素晴らしいです。
和尚もしかり。これだけ素晴らしい人達に守られていたから、アキラはあんないい子に育ったのだなあと
思わずにいられませんでした。

テーマ : オススメの本 - ジャンル : 本・雑誌

09:43  |  重松清  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)
 | HOME | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。