2017年08月 / 07月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09月

--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告

2010.12.07 (Tue)

青山七恵 やさしいため息

やさしいため息やさしいため息
(2008/05/16)
青山 七恵

商品詳細を見る


今日はどんな一日だった? 4年ぶりに再会した弟が綴るのは、嘘と事実が入り交じった私の観察日記。立ちこめる湯気の中、私は冷たい肌が温まっていくのを感じている......。『ひとり日和』で芥川賞を受賞した著者が描く、OLのやさしい孤独(BOOKSより)

青山七恵さん、芥川賞まで取ってたんですね。他に、2009年には川端康成文学賞を受賞されているそうです。
受賞履歴を見るととても派手ですが、書く小説はとても普通っぽく、のんびりした雰囲気です。
ジャイ、結構好きです。
ハラハラドキドキする小説が書きたいなら、派手な設定や登場人物を使えば簡単にできてしまう気がします。
でも、青山さんの小説はそうじゃない。
どこにでもあるシチュエーション、決して派手でない登場人物。
なのに、どうしてこんなに面白く書けるのか。

主人公まどかの家に、自由奔放な弟風太が居候します。
イメージ力の乏しいジャイは、風太と聞くと、某レッサーパンダを思い出すのですが・・・
その風太は、他人の行動を日記帳へ書き付ける特殊な趣味をもちます。
まどかが自分の日記帳を読んでみると、変化の無い日常に気付かされます。

「なんか、全然起伏がないなあと思って」
「起伏?必要ない」
「ほのぼのとした日常って、続きすぎると苦痛だよなあ」
「読む人にとってはでしょ。そんなの読むの風太だけだよ。本人はちっとも苦痛じゃない」

まどかにとっては、人とコミュニケーションを取るのが難儀なことであり、忘年会などの集まりにもほとんど出たことが無く、また、仕事の後に誰と飲みに行くかで大いに悩んでしまう性格です。
風太の日記には着色(フィクション)まで加えて、少しでも華やかな一日を送ったかのように振舞います。
でも、きっと風太は全てを知っていたのでしょう。
風太はいい弟だなと思いました。

風太はまどかのアパートの大家さんともすぐに仲良くなり、みかんをいただいたりしています。
また、まどかの会社の近くにある喫茶店のウエイトレスさんとも、直接そんなやり取りは無いけど、仲良くなったような雰囲気を出しています(まあ、一日いたら、そうなるか・・・)
これらのエピソードから、風太はまどかと真逆の性格であることがわかります。
風太は、自然に他人とのネットワークを広げていける性格を持っているのです。
だから、余計にまどかの内気な性格が気になるのでしょう。
まあ、まどかも彼氏がいた時期があったらしいから、そこまで内気と言うわけでもなさそうですけどね。

まどかの性格も、小説が終わるころには、少しだけ変わっていっているのが分かります。
劇的な変化ではないけど、ゆるりと。ああ、やさしいため息が出そうだ・・・
スポンサーサイト

テーマ : 最近読んだ本 - ジャンル : 本・雑誌

09:30  |  青山七恵  |  トラックバック(0)  |  コメント(2)

2010.12.06 (Mon)

青山七恵 窓の灯

窓の灯 (河出文庫 あ 17-1)窓の灯 (河出文庫 あ 17-1)
(2007/10)
青山 七恵

商品詳細を見る


見知らぬ人たちのシルエットが奏でるゆるやかな官能の響き。第42回文藝賞受賞作。(BOOKSより)

一行しかないレビューって・・・
でも、小説を読んだら、このレビューも納得。細かい説明は要らないなと思いました。
実際に小説を読んで内容を味わってほしいです。
120ページくらいしかなくて、10分ほどで読んでしまえる小説ですが、じんわり暖かい気持ちになれますよ。

ちなみに、この小説は青山七恵さんのデビュー作で、当時22歳だったというからすごいです。
ジャイが22歳の頃なんて・・・鼻水たらしていたなあ・・・(うそ)

主人公のまりもチャンは、自宅の窓から見える民家の様子を覗くのが趣味です。
と言っても望遠鏡やカメラを使うような犯罪チックなものではなく(オペラグラスは使っていたが)、「見えているから見ちゃう」という感覚です。
ワイドショーを観ているのと同じなのです。
小説全体が「サラ~」と流れていくような文章なので、覗きと言っても重く感じません。

どうしてそんな行動を取ってしまうんだろう。
まりもチャンは、こんなセリフを口にします。
「あの人が・・・ちゃんと生きてるなって思いませんか。人間って、思うほど動いていないんです。みんなじっとしてて。急に動くと、急に人間らしくなって。みんなそれなりに楽しそう」

もしかすると、まりもチャンには大きなコンプレックスがあるのではないかと感じました。
それは、まりもチャンが勤める喫茶店のマスター、ミカド姉さんとのやり取りでも分かります。
まりもチャンはミカド姉さんのことが大好きです。憧れの女性です。
少しソッチの気があるんじゃないかって思ってしまう行動も取っています。
でも、ミカド姉さんは誰にでも優しいのです。彼氏もたくさんいるみたいだし、本心が分からない。
大好きなミカド姉さんとの間に、見えない壁を感じていたのでしょうか。
まりもチャンには、他に仲の良い友達がいるわけではなさそうでした。
自分の居場所が分からなくなって、「覗き」をするようになったのではないでしょうか。

うーん、覗きとは違うけど、ジャイも同じような行動をしたことはありますね。
乗っていたバスが信号で停まっていたとき、隣に停まってた車の、助手席の男性の様子をじーーっと見つめていたことがあります。無意識に。見えちゃったから見た、という状態。まりもチャンと一緒じゃないかー。別にカッコいい人でもなかったのに、不思議だなあと思った記憶が・・・
私も、自分の居場所を探していたのだろうか。

まりもチャンはまだ若いのです。
覗きであれ何であれ、それで何かを見つけて前進できたのですから、まりもチャンにとっては正しい道だったのでしょう。最後まで読むと、そんな感想を持てました。

テーマ : 最近読んだ本 - ジャンル : 本・雑誌

09:30  |  青山七恵  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)
 | HOME | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。