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2010.12.10 (Fri)

赤川次郎 その女の名は魔女

その女の名は魔女 怪異名所巡り2 (怪異名所巡り) (Suzume bus―怪異名所巡り)その女の名は魔女 怪異名所巡り2 (怪異名所巡り) (Suzume bus―怪異名所巡り)
(2004/06/04)
赤川 次郎

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生まれながらの霊感体質で幽霊を呼び寄せる、類まれなバスガイド、町田藍。彼女が添乗する“すずめバス”の“怪奇ツアー”は、今日も大人気!幽霊が出る旧家の土蔵、本物の亡霊が現れる『ハムレット』の舞台、魔女が火あぶりにされ、今も恨みが残っているという村。藍がそれぞれの怪奇現象の謎を解くうちに明らかにされる、幽霊たちの悲しさ、淋しさ...。大好評“霊感バスガイド”シリーズ第二弾、全五篇。(BOOKSより)

赤川次郎作品2冊目。
この本を選んだ理由は、表紙を見て「うん、こんなコスプレしたいなあ」と思ったからです。
不純な動機でしたが、小説は面白かったので、よしとします。

主人公町田藍は、大手バス会社のHバスをリストラされ、零細企業のすずめバスへ就職します。
小説の中で「ハト」から「すずめ」へ、って言っちゃってますけど。

幽霊が出たり殺人が起きたりしても、基本的に小説のタッチが軽く、分かりやすい口調で語られているため、読んでいてズシンとくることはありません。
幽霊だって、人を脅かしに出てくるのではなくて、藍の手助けをしに出てくるわけです。
随分おしゃべりでフレンドリーな幽霊ばかりです。
この小説を読んだら、幽霊の印象が変わります。

何となく感じましたが、赤川次郎作品は、良くも悪くも「分かりやすい」ですね。
誰にでも理解できるトリック・結論であるからこそ、幅広い層の読者が読んで楽しめます。
でも、分かりやすいからこそ、記憶に残りづらいという欠点もあるかもしれません。

この小説は「霊感バスガイド事件簿」としてテレビドラマ化もされています。
確かに、ドラマ化しやすい小説です。
登場人物はみな個性的で、アニメやドラマ向けだと思います。

具体的な内容ですが、ストーリーの完成度が高く、面白いなと思ったのは「迷子になった弾丸」という短編です。
ある殺し屋が、三人を銃で殺害します。
けれど不思議なことに、三回とも、一発目の発砲が相手に当たらないのです。
殺し屋には、確かに銃を撃った手ごたえが残っているのに。
なんと、その一発目の発砲は、時空を越えて50年後の未来に現れたのでした…
このストーリーだけでも面白いのですが、それに人間関係が絡んで、濃いドラマのような仕上がりになっています。
とある一族の因縁。殺し屋の迷いと葛藤。
殺し屋の過去が清算できたということだけ考えればハッピーエンドなんですけどね・・・
残念ながら、何の罪も無い50年後の人間がひとり、巻き添え食って死んでいます。
彼、ちょっと浮かばれないよな~ と感じました。
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15:30  |  赤川次郎  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2010.12.10 (Fri)

赤川次郎 散歩道

散歩道―赤川次郎ショートショート王国 (光文社文庫)散歩道―赤川次郎ショートショート王国 (光文社文庫)
(2002/02)
赤川 次郎

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「ラブストーリー」「ミステリー」「人生の鍵」...きらめくショートショートの世界へようこそ。(BOOKSより)

赤川次郎作品の中から、あえてショートショートを選んでみました。
赤川次郎ファンクラブの会報に、特典として付けたショートショートの連載を単行本化したものだということです。しかも、タイトルは会員から募集したものを採用しています。外部から提案された課題に、原稿用紙10枚以内で、きっちりオチ付きの物語を書いてしまえる赤川先生はさすがです。
まあ、先日、赤井三尋先生の短編集を読んでいるのでそちらと比較してしまうのですが、赤川次郎作品のほうが、よりファンタジー色の強い仕上がりです。

取り上げるジャンルも幅広いので、誰にでも、共感できるストーリーが確実にあると思います。

個人的に好きだったのが、「不快指数79」。
不快指数とは夏の暑さを数量的に示した指数で、それが80以上になると、全員が「不快」と感じるほどの暑さだと認められます。
うだるような暑さの中、出張しようとした主人公は、あまりの暑さから喫茶店に緊急避難します。
出張なんて行きたくないな、そう思っていた矢先に、フレッシュな後輩が主人公を見つけます。
その日の不快指数は83。
主人公は後輩につぶやきます。「ますますうんざりするな」
しかし後輩はこう返します。「僕にとっちゃ、不快指数は79までしか上がらないんです」
そのココロはこう。
「80以上は全員不快でしょ?だから79。僕は、不快を知らない、ごくわずかの一人。いや、もしかしたら、この大都会でたった一人の人間かもしれないです」
いいね、こういう考え方。
RPGの主人公(勇者)に通じるような、自分には特別な力があるっていう前向きな考え方。
新入社員の頃って、誰でもそんなポジティブ思考ができたんじゃないかと思います。
それが徐々に、地に足ついた思考に変わってゆき、フットワークも重くなる。
エネルギーが無くなったなと気付かされるのは、自分より相当年下の、フレッシュな新人の前向きなセリフを聞くときではないでしょうか。
「昔は自分もこうだったはずなのにな・・・」
会社員・勤続8年目の中堅職員ジャイも、とても共感できました。
社会に対する前向きなエネルギー。自分も、完全にではないけど、失いつつあるものだなあ。
9ページしかないショートショートの物語から、大切なことを学んだ気がします。

不快指数の感想ばかりになってしまいましたが、他にもたくさん「イイ話」がありました。
「こぼれたアイスクリーム」という話には、8歳になった娘の行動がトロいと怒ってばかりの母親が出てきます。
粗相を繰り返されると、突発的に「子供だから完璧にこなせなくて当然」という考え方が出来なくなることは、あるでしょう。
イライラして怒りをぶつけるばかりで、娘に対する愛情があるのかどうかさえ分からなくなる。
そんな母親に起こった、一つの出来事。
やはり、子供のことを世界で一番愛しているのは母親なんだなと思えるストーリーです。

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09:32  |  赤川次郎  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)
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