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2010.12.18 (Sat)

阿川佐和子 婚約のあとで

婚約のあとで婚約のあとで
(2008/02)
阿川 佐和子

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晴れて婚約したのにモヤモヤを抱え始める今年29歳の村松波。許されぬ恋に走る妹の碧。愛しているのに結婚しない宙。結婚したのに愛せない優美。満たされた条件のなかでなお、ためらう七人の女性たち。彼女たちの「選択」を描く本格恋愛小説。 (BOOKSより)

阿川さんの小説には、気のせいかもしれないけど、「魅力的なメンズ」の出てくる確率が低い気がします。
女性の登場人物はみんな可愛げがあるのに比べて、なぜだろう。
だから小説が面白くなかった、というわけではありません。小説は面白いです。

この小説は7人の女性を軸に展開されていきます。
どんな女性が読んだって、7人のうち誰かには共感できるのではないかと思います。
他の恋愛小説と重複するテーマもあったりするのは仕方ないかと思いますが、一つ「うお!?」と新しい感動を生んだ箇所がありました。

登場人物の一人、盲目の女性「宙」。
大好きな男性・直人からプロポーズされたのに、「結婚できない」と返事をするのです。
自分が盲人だから、負い目を感じて生きていかなければならないから、と。
ハンディキャップを持つと、このように感じるものなのでしょうか。
直人の気持ちには「盲人への同情」が入っていると思うのでしょうか。
それは永遠に分からないことだし、例え同情が1%入っていたとしても直人は「宙と一緒になりたい」という結論に達したわけで、それでいいのではないか?と、私は考えてしまうのです。

宙は、裕福な家庭に育ち、その気になれば実家で養ってもらうことも可能な立場にありながら、あえて一人暮らしをし、ベトナム語の通訳の仕事で生計を立てています。
自立心が強い女性なのです。
足りない者同士が補い合って生きていくなんて、そんな消極的な生き方はしたくない。

けれども、直人のことは本当に大好きなのです。
宙は小説の中でこう言っています。
目が見えたらどんなに嬉しいかと想像するときもありますが、目が見えないから直人と出会うことができたのだとしたら、私はずっとこのままで結構です。

本当に真っ直ぐで、高尚な女性ですね。
大好きな男性よりも自分の生き方を選ぶというのは、強いです。
(ジャイなら、大好きな男性を選びま~す。ごめんなさい♪)
しかし少し心配になりますが、もし将来直人が他の女性と結婚したときに、素直に心から祝福できるのでしょうか。
愛を取るか、信念を取るか。正解なんてものはないのです。

そう、人生の選択に正解なんてない。
ここで、別の箇所に書かれていた言葉が被さってきます。

自分の選択に過ちはたくさんあったかもしれないが、いつのまにかどうにかなっている。

宙と直人が今度どのような関係になるのか分かりませんが、どんな選択肢を選んでも、結局のところ「どうにかなる」のですね。
だったら、愛した男を選びたいけどなあー。
そんなことを考える私は、まだまだ煩悩だらけな女です。ううむ!
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09:26  |  阿川佐和子  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2010.12.16 (Thu)

阿川佐和子 スープ・オペラ

スープ・オペラスープ・オペラ
(2005/11)
阿川 佐和子

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ひとつ屋根の下の独身女性と2人の男性。恋の花咲く長篇小説。(BOOKSより)

上の説明だけ読むと、三角関係の物語なんじゃないかと思われるでしょう。
残念ながら、全然違う物語でした。
最後なんて、三人で寝られる大きさのベッドを買ってきて、一緒に寝てしまいます。
親戚でもなんでもない、赤の他人同士がです。
ありえない関係です。

ほのぼのした小説です。悪い人は出てきません。
懐かしい商店街の町並みが想像できる世界です。「肉屋」なんて、最近ほとんど見かけなくなってしまいました。優しい肉屋の店主は、いつも揚げたてのハムカツをお客さんにサービスしてしまうから、ガラスケースに入ったハムカツはいつまで経っても売れないといいます。人柄の温かさが伝わってきますね。

また、面白いと感じたのは、登場人物の一人・康介の存在です。
30歳にしてリストラされ、アルバイトも長続きしない。セックスレスの気がある。存在自体がフワフワしている。ワーキングプア、草食男子…今の世相を反映しているオトコです。2005年の小説なのに。
「基本的に狩猟系民族ですよね。セックスを最大の愛情表現だと信じきっている。でも僕はそれと精神性を比べると、やっぱり精神性のほうを大事にしたいタチだから・・・」
ぐだぐだ言い訳すんじゃねー!こんな30歳じゃマズイだろ。あんたもう少しシッカリしなさい!喝!!と、母親のような気持ちになりながら読みました。

けれど、そんなロクデナシ男康介の存在が、主人公ルイの考え方を少しずつ変えてゆきます。
ルイは友人から「恋愛逃避症」と揶揄されています。ああでもない、こうでもないと自分から理由を付けて相手と向き合おうとしないからです。
そんなルイが、康介のように自分に素直になれたらどれだけいいだろうかと考えています。ロクデナシ男康介が、一人の女性の生き方に影響を与えているのです。

そんな康介と逆な人生を歩んでいる、トニーさん。
還暦を過ぎている老人ですが、2度の離婚を経験しています。とにかく自由人です。

こんな個性的な男性二名との同居生活。
そこには「恋愛」というものは発生しません。
康介だって、ジャイにとっては全然男としての魅力は無いけれど(これはきっと、私の好みが肉食系男子なので余計にそう感じるのですね)、他二名にとっては居心地の良いソウルメイトなのでしょう。

ここに、男女の間に友情は成立するのか?という、永遠の問いがあります。
個人的には「成立しない」と思っています。
けれど、この小説を読んだら、成立するしないにかかわらず、こんな関係イイな!と感じてしまいました。
読み終わった後には、なんだかホンワカする気持ちになれました。

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09:35  |  阿川佐和子  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)
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