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2010.12.15 (Wed)

市川拓司 そのときは彼によろしく

たまに寄り道するワタシ。

そのときは彼によろしくそのときは彼によろしく
(2004/03/31)
市川 拓司

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小さなアクアプラント・ショップを営むぼくの前に、ある夜、一人の美しい女性が現れる。店のドアに貼ってあったアルバイト募集のチラシを手にして―。採用を告げると彼女は言った。「私住むところがないの。ここに寝泊まりしてもいい?」出会うこと、好きになること、思いやること、思い続けること、そして、別れること...。ミリオンセラー『いま、会いにゆきます』の著者による、最高のロマンチック・ファンタジー。(BOOKSより)

ワタクシ、「いま会いにゆきます」、「恋愛写真」の二冊は既に読んでおりました。
市川拓司三冊目「そのときは彼によろしく」も、胸を熱くする小説です。
熱くするといっても、熱湯ではなく電気毛布のように(変なたとえ?)ジンワリと身体を温めてくれる感じです。

感想としましては、とにかく小説内の世界が美しいということに尽きます。
市川拓司にかかると、ゴミ捨て場でさえも、こんなにキレイな書き方ができるんですね。
小説全体が、透明感の高い青色・緑色のイメージです。
主人公が営むアクアプランツショップの風景も重なって、キラキラ、ユラユラ
まるで架空の町にいるような錯覚を起こします。

おそらく「そのときは彼によろしく」では、大部分の読者は主人公と花梨のくだりで泣くんだろうと思うのですが、ワタクシは違うところで泣きました。
どこですか、って?主人公と父の関係について、です。

タイトルになっている言葉の由来は、小説の終盤で明らかになります。
一人息子を50歳になってから授かった父の想い。
主人公は老齢の両親を友達に見られるのが嫌だったようですが、そんなことお構い無しに、両親は胸を張って学校行事に参加します。
父がどれだけ息子を愛していたか、小説の終盤でこれでもかと言うほど語られます。
ここは、できれば実際に小説を読んで体感してほしいです。

(引用)いま思い出しても胸が痛くなるよ。おむつで膨らんだ尻を揺らしながら、部屋の中を歩いていたお前の姿。つい昨日のことのようだ。私は幸福すぎて死んでしまうんじゃないかと思ったよ。
この部分を読んで、ジャイはたっぷり泣きました。

実は、小説の中盤あたりの部分で、「幸福は少なすぎるから取り合いになるんだ」と書かれているのです。
誰かの不幸の上で成り立つ幸福。そうじゃない幸福なんてあるのだろうか?
いや、そうじゃない幸福も、あるんです。
主人公の父は、これが言いたかったのではないかと思います。

花梨とのことも、父とのことも、つまりは人と人を繋ぐ愛情のストーリーなのですよね。
テーマは一緒なのだと思います。

(ちなみに個人的な感想ですが、この小説、たまにカユくなるようなセリフが出てきます。「100歳まで生きて幸福の年金をもらわなくちゃ」とか。まあ、言いたい意味が的確に伝わるから、いいかもしれないけど。)

ところで、いつ戻ってくるのか分からない人を待ち続けるって、現実では難しいことかと思います。
本当に愛した人であっても。
主人公は30歳のときに愛する人と別れ、その後10年間も待ち続けます。
周りの人間が結婚して子供が出来ても、さびしいとは思っても、その寂しさを他人で埋めようとしない。
そこのところは、案外女性のほうがリアリストかもしれません。
きっとジャイなら、他の楽しい人生を選択していることかと思います…(スマン!)
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09:30  |  市川拓司  |  トラックバック(0)  |  コメント(4)
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