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2011.01.27 (Thu)

あさのあつこ あした吹く風

あした吹く風あした吹く風
(2008/12)
あさの あつこ

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父が不倫の末に事故死した功刀鈴/夫が自分の親友と不倫した来野美那子、愛を避けていた二人が、どうしようもない愛を知る。少年17歳、女性34歳、出逢ってしまった二人。(BOOKデータベースより)

「福音の少年」に続き、あさのあつこの著書を読んでみました。正直、「福音の少年」のイメージが残ったままだったので、あまり内容には期待していませんでした。で、読後の感想ですが…
…すみませんでした。
なんでいきなり謝ってるかって、期待しないで読んでしまって、すみませんということです。
感動しました。
上記BOOKデータベースの内容紹介を読んだだけだと、恋愛小説だと思われるでしょう。
恋愛の要素ももちろん含んでいますが、他にも心を動かされるテーマが要所要所に散らばっています。
「感動ダウジングマシン」を使ったら、小説の最初から最後まで、フリフリ反応し続けることでしょう。
(余談だが、なぜここでいきなりダウジングマシンが出てくるのかというと、ポケモンホワイトに「ダウジングマシン」というアイテムが出てくるからである。つまり、ジャイはこの感想文を書く前に、ポケモンをプレイしていたということである。)

恋愛要素もさることながら、注目したのは「失望からの脱却」と「他人を赦すことの強さ」です。この二つは、鈴と美耶子、どちらにも通じるテーマです。
「失望からの脱却」。
こちらは鈴ベースでの感想を書いてみます。
小説の中で、鈴は、自分の父親が、自分の親友の姉と不倫関係にあったことを知ります。それも、不倫関係にあった二人の交通事故という事実によって。二人は死亡し、二人の関係は明るみになり、鈴は周りからの誹謗中傷の嵐に巻き込まれます。自分の父親に裏切られたというショックも加わって、鈴の精神状態はどん底の状態にあったはずです。
「食べてください。鈴さん、食べなきゃダメです」
鈴のおうちに勤めているお手伝いさん、綾子の台詞です。
現実が辛いときほど食欲は無くなるものであるけれど、そんな時こそ食べなければいけない。鈴は綾子の指南によって救われるのです。
鈴が失望から抜け出せた理由はこれだけでは無いんですけど、個人的にはこの部分のインパクトが強かったです。食べることってステキだね。

「他人を赦すことの強さ」。
こちらは美耶子ベースで書いてみます。
美耶子は、自分の夫が自分の親友と不倫し、夫と親友を激しく憎みます。殺してしまいたいほどに。
美耶子自身も、自分にそんな負の感情があることに気付いて戸惑います。誰にでもあるんだろう。
でも、美耶子は考えるのです。相手だけが悪いわけじゃない、自分にも「お互い様」なところがあったと。
そこには、夫を愛していたと言い切れなかった美耶子がいました。それなのに、相手が自分に味わせた苦痛だけを引き合いに出すのっておかしいだろう。
結局は、憎しみからは何も生まれないのです。自分が蔑まれたから相手も同じ不幸レベルまで引き摺り下ろしてやるなんて、愚かな考えなんです。

年齢が自分に近いということで、なんとなく美耶子に感情移入してしまったのですが、逆に高校生側の視点に立って読むとどんな感想になるのでしょう。
そんなに分厚くない本でありながら(250ページくらい)、考えさせられるテーマは多く、そして深い。時間をあけて、また読んでみたいと思える小説でした。
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テーマ : 最近読んだ本 - ジャンル : 本・雑誌

09:35  |  あさのあつこ  |  コメント(0)

2011.01.21 (Fri)

あさのあつこ 福音の少年

福音の少年福音の少年
(2005/07/20)
あさの あつこ

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十六歳の永見明帆は、同級生の藍子とつきあっていても冷えた感情を自覚するだけ。唯一、彼が心に留める存在は藍子と同じアパートに住む彼女の幼なじみ、柏木陽だった。藍子の様子がおかしい?そう気づいたある日、母親とけんかした陽が突然泊めてくれ、と訪ねてくる。その夜半、陽のアパートが火事で全焼、藍子も焼死体で発見される。だが、それは単なる事故ではなかった。真相を探り始めた彼らに近づく、謎の存在。自分の心の奥底にある負の部分に搦め捕られそうになる、二人の少年。十代という若さにこそ存在する心の闇を昇華した、著者渾身の問題作。 (BOOKSより)

ミステリーのような作風。けれど、最後まで読んでみて、これで終わりなの?という感想を持ちました。
一気に尻すぼみ。不完全燃焼気味なラストです。
それに、ストーリーにリアリティが無さ過ぎるし、命を蔑ろにしすぎだろうという感想も。
けちょんけちょんで厳しいレビューですが、思ったことを書いてみました。
まあ、見方を変えて、少年二人の心の葛藤やぶつかり合いを書いた小説だと思えば、素晴らしい作品になるかと思います。

また、小説がちょっと読みづらい。少年二名のうち一人が謎の方言を使うのですが、そこで違いをつけたという努力のあとが見受けられます。それでも読みづらくて、誰が喋っているセリフなのかわからなくなってきます。

「アパートの火事に隠された真相の解明」というミステリー的要素から見た感想は、不完全。
藍子はどのような経緯で○○と接触したのか。ラストでいきなり出てくる△△はいったい誰なのか。

「高校生の少年、二人の心のぶつかり合い」という青春ストーリー的要素から見た感想は、まあまあ。
友情とまでは言いがたい、緩く不安定な関係。でも心の底では、二人は相思相愛だったというところでしょうか。
藍子は結局、どちらのことが好きだったんだろう。藍子の心の闇だって、書き方が中途半端で、足りない印象です。

ミステリー50点、青春50点の100点満点で表現すると、ミステリー10点+青春35点=45点というところです。
ジャイさん、全然前向きなレビューじゃないよという声が聞こえる。でも、だって、嘘は書けないもーん。
唯一いいなと感じたのは、明帆の父親・英樹が素晴らしい人格者だったということです。

このけちょんけちょんな感想文を読んで「あえて読んでみたくなった」という稀有な方がいたとしたら…ぜひ読んでみてほしい。感想を聞きたいです。

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09:38  |  あさのあつこ  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)
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