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2011.03.02 (Wed)

近藤文恵 サクリファイス

サクリファイス (新潮文庫)サクリファイス (新潮文庫)
(2010/01/28)
近藤 史恵

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ただ、あの人を勝たせるために走る。それが、僕のすべてだ。
勝つことを義務づけられた〈エース〉と、それをサポートする〈アシスト〉が、冷酷に分担された世界、自転車ロードレース。初めて抜擢された海外遠征で、僕は思いも寄らない悲劇に遭遇する。それは、単なる事故のはずだった――。二転三転する〈真相〉、リフレインの度に重きを増すテーマ、押し寄せる感動! 青春ミステリの逸品。 (内容紹介より)

サイクルロードレース。野球やサッカーと比べるとあまり馴染みの無いスポーツを題材にしている小説です。ルールを全く知らなかったけれど、大丈夫でした。小説内にて、ストーリーのリズムを崩すことなくルールが説明されています。ただの説明文にならず、うまい書き方をしているなという印象です。
それにしても、このストーリーを作るためにサイクルロードレースのルールが存在するのではないかと思ってしまうくらいの、展開とルールのマッチぶりに驚かされます。他のスポーツでは成立しえない、サクリファイス=犠牲の精神。

日本人が好みそうな小説だなという印象です。
まず、サイクルロードレースのルールについて。にわか知識で恐縮ですけど、このスポーツは「チームプレー」で勝利をつかむものです。レースは同じコースを何周と走る長丁場なわけで、勝つためには、体力配分や他チームとの駆け引きなどの戦略が必要になってきます。そこで「アシスト」と呼ばれる、己の勝利を捨ててチームに貢献する役目の選手がいるわけです。決して日の目を見ることがない選手です。

そして、悪者にはきっちり制裁が加えられるという勧善懲悪なストーリーでもあります。

そして少々残念だというポイントがこちら。
レース中の風景について、ほとんど描写が無い。もともと、スピードを求めるストーリーには、過度の描写は不要だと思っています。描写って時間を止めてしまいますから。でも、あまりに少ないのも悲しいです。せっかく伊豆や富士といった魅力的な場所を走っているのに残念。主人公チカも、観客席を細かく見る余裕があるみたいだから、風景も見ていないはずはないと思います。まあ、別にいいんですけど。

最後に、ちょっとだけ含まれる「恋愛」について思ったこと。
主人公チカは、中学生の頃から「香乃」という女の子が好きでした。二人は恋人同士だったけれど色々あって、香乃は違う男性と結婚してしまいます。チカは、香乃のことが大好きだったけれど、別れることも運命だったと割り切り失恋を乗り越えます。にしても、香乃と結ばれなくて良かったねと思ってしまうのは自分だけ?セックスの相性が良くなかったのが運の尽きだったんだろうか。
まあ、そこって、けっこう大事だよな…
きっとチカにはもっといい女性が現れるのではないかなと思います。
話がずれました。いや、ロードレース風に、脱輪しましたと言おうか。

この小説を一言で表すと、タイトルが示す「犠牲」の意味がとても重いのに、同時に、物語に入り込みやすい軽さも持ち合わせた面白い作品です…といった感じかなー。
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テーマ : 最近読んだ本 - ジャンル : 本・雑誌

09:00  |  近藤文恵  |  コメント(0)
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