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2011.05.22 (Sun)

村上春樹 村上かるた うさぎおいしーフランス人

村上かるた うさぎおいしーフランス人村上かるた うさぎおいしーフランス人
(2007/03)
村上 春樹

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「飼い犬に手を握られた」など驚異の108篇。ミニエッセイ、カラーイラスト、4コマ漫画付きの痛快版 (内容紹介より)

図書館にて「約束された場所で」を探していたら、この本を見つけました。
表紙がかわいい。「読んでピョン」と言っているかのようで、中身を気にせず借りてしまったのです。
そうして読んでみたのですが。

「あ」 アリの世界は何でもアリだ
アリたちの会話が繰り広げられ、そんなことをありありと想像しながら…と結ばれる短編。

この2ページを読んだだけで、このまま本を閉じて図書館に返してしまおうかと考える私。
それでもまあ、安西水丸先生の絵がカワイイので、とりあえず読もうかと踏みとどまる私。

そうして残り数ページまで頑張ったのですが。

フロイトがとある婦人に夢診断を行いました。その婦人の見た夢には、入浴シーンが出てきて、場所はニューヨークで、白い糸が出てきたといいます。

…このページを読んで「もう無理だ」と思い、数ページ残っていたけれど読了。いや、読み終えているわけではないので、読了とは言わないのでしょうか。

結構くだらない内容だと思います。
同じ内容の本をわたしが出版した場合「金返せ」となると思います。けれど、作者は村上春樹。その偉大な人物の力によって「まあ、村上春樹もこんな一面があるんだな」と、誰もが強制的に納得させられる気がします。
それから、安西水丸先生の絵がとても可愛らしく、それにかなり助けられているような気がします。自分も、かわいらしいウサギの表紙を見なければ、この本を手に取ることもなかったわけで。

それにしても、世の殿方は皆ダジャレが大好きなんだなあと思いました。村上春樹も例外でなかったことを知り、そこにカタルシスを感じた私でありました。ダジャレの何が殿方をそこまで惹きつけるんだろうか。謎だ。
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テーマ : 最近読んだ本 - ジャンル : 本・雑誌

07:45  |  村上春樹  |  コメント(4)

2011.05.16 (Mon)

村上春樹 約束された場所で

約束された場所で―underground〈2〉約束された場所で―underground〈2〉
(1998/11)
村上 春樹

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癒しを求めた彼らはなぜ無差別殺人に行着いたのか?オウム信者へのインタビューと河合隼雄氏との対話によって現代の闇に迫る(内容紹介より)

(引用)「麻原と末端の信者たち一人ひとりというのは、わけて考えないといけません。~。末端の信者には本当に純粋な心を持っている人がいます。~。そういう人たちがかわいそうだなと僕は思うんです。結局のところ世の中のシステムに受け入れられない人、肌が合わない人、あるいはそこからはじき出された人、そういう人たちがオウムに入ってきているんです」

この文章は、オウムの信者の言葉です。
正直に申しますが、私自身、オウム真理教の信者とは自意識を持たずに教祖をひたすら尊敬し、服従している人形のような存在だと思っていました。けれど実際には、驚くほど「普通の人たち」だったのです。前作の「アンダーグラウンド」に続いて、テレビ等では報道されていない、知らなかった真実が見えてきました。

インタビューされている信者の話を読んでいると、変わった人だなと感じるところがほとんどありません。入信した経緯だって「近所にたまたま道場があって、何となく見学に行って信仰を決めた」というような、ほんのはずみのような軽いスタートの場合が多いのです。家庭環境だって悪くありません。家族との不和で居場所が無くなり逃げるように信心したということでもないのです。現に、一連の事件の後、出家していた信者の中には実家に戻った方もいるようです。

そんな「普通の人たち」がどうして入信に至ったのでしょうか。
冒頭で信者の言葉を引用しましたが、信者の方もそうでない方も、人間であれば多種多様なことを考えるはずです。自分の思考と世の中のシステムを比較したときに、合致することもあれば全く違うことを考えることだってあるわけです。自分も中学生のとき「なんで学校にいかなければならないのだろう」と思ったことがあります(村上春樹自身も学校は嫌いだということでした)。世の中の決まりきったことに対し疑問や反抗の念を抱くのは、何らおかしいことではないと思います。
けれど、この社会というものは、決まりきったことを非常に大事に考えます。決まったことに従うのが善、反抗するのが悪という二極化の構図が成立してしまっています。違っていても気にしない、他人から陰口をたたかれることなんて自分には関係ないとデンと構えていられるのは強い人間です。けれど、そうではなく精神的に純粋な人間の場合、社会の圧力に負けてしまうのだと思います。周りから冷たい目で見られる、自分の考えていることはおかしい、他の人と違う、世間には受け入れてもらえない…となると、人格を全否定されたかのように感じてしまうのでしょう。そして、入信してしまうのです。
だから、オウム真理教の信者だって普通の人なのです。ものすごく純粋な普通の人なのです。

一連の事件が起きた後も、それにオウム真理教が関与していたことについて、信じることができないという信者がたくさんいたようです。自分たちがそんな悪いことをするわけがない、と。事件に関与していたのは上層部の人間で、そことは区別するべきなんだと思いましたが、やはりオウムはオウム、総括しての悪いイメージはどうやっても拭えない感があります。この言い方が適切かどうか分かりませんが、末端の信者だってある意味では被害者なのかもしれません。

このノンフィクションを読んで得られたものは、オウム真理教の冷酷さ、非道さ、奇妙さではありませんでした。
純粋すぎる人間たちが安心して生きていける居場所が存在する社会になればいいという願いでした。
07:52  |  村上春樹  |  コメント(4)

2011.05.04 (Wed)

村上春樹 アンダーグラウンド

アンダ-グラウンドアンダ-グラウンド
(1997/03/13)
村上 春樹

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村上春樹が追う、地下鉄サリン事件。
迫真のノンフィクション、書き下ろし。

1995年3月20日、晴れ上がった初春の朝。まだ風は冷たく、道を行く人々はコートを着ている。昨日は日曜日、明日は春分の日でおやすみ──連休の谷間だ。あるいはあなたは「できたら今日くらいは休みたかったな」と考えているかもしれない。でも残念ながら休みはとれなかった。
あなたはいつもの時間に目を覚まし、洋服を着て駅に向かう。それは何の変哲もない朝だった。見分けのつかない、人生の中の一日だ……。
変装した五人の男たちが、グラインダーで尖らせた傘の先を、奇妙な液体の入ったビニールパックに突き立てるまでは……。(内容紹介より)

700ページを超える、地下鉄サリン事件の被害者インタビュー集です。被害者の生い立ちから事件当日の行動、事件に遭遇したときの様子、いまオウムに何を感じるかといった内容で構成されています(現在は「アレフ」ですが、ここでは当時の名前「オウム」で書きます)。読み進め、何人もの証言が重なってゆき、改めてこの事件の悲惨さを確認することとなったのですが、ぼんやりとその中に三つの共通項が浮かんできたような気がしました。

まずは、一連の報道のこと。マスコミの発信する情報が、非常に固定化されたものだったのではなかったかということです。地下鉄の入り口で心臓マッサージを施されている被害者の姿や、残された被害者の家族の様子が映し出され、視聴者への怒りの感情を刺激する報道の仕方が多かったように感じます。とにかくオウムは危険因子だ。敵だ。この街から出て行け。報道を受けた視聴者は、共通してこんなことを感じたはずです。このノンフィクションを読んで、被害者の症状や心情など、初めて知った事実が非常に多くありました。取材を受けた被害者が本当に伝えたかった意見の部分がばっさりオンエアでカットされていた、という例もあったようです。

それから二つ目は、どの組織も、初めてのことには迅速かつ的確な対応が取れないのだということ。サリンを吸引した患者が運び込まれた病院では、どのような治療をすべきか、また、患者数が多い場合、どのような症状の患者を優先して治療に当たればいいかなどの情報が皆無で、相当混乱をきたしたようです。サリンの袋が置かれた地下鉄の車両も、袋を除去しただけでそのまま運行し続けていたようです。サリンがどれだけ危険な物体か知っていたら、対応は変わっていたはずです。それが被害を拡大させることになってしまった。

そして三つ目は、オウムに対して特に激しい怒りを感じないという被害者が少なからずいたことです。その方も、決して事件を風化させたわけではありませんでした。どうしてそこまで寛大な気持ちになれるのか。私には理解できませんでした。
けれど、最後の最後に掲載されていた村上春樹の解説を読んだとき、個人的な結論を導き出せたような気がしました。小説と違い、ノンフィクションであるこの本では、村上春樹が読者に伝えたかったテーマというのが割と明確に表現されているように感じます。
undergroundという単語の意味は、当然「地下」です。誰しもが考えたはずです、忌まわしい事件が起きたあの場所を示しているんだと。けれど、村上春樹の解説を読んで、その単語に含まれたもう一つの意味に気づかされたのです。
それは、本の言葉を引用すると「自分自身の内なる影の部分」。undergroundには「目に見えない部分」という意味もあるのです。
オウムへの怒りを感じない被害者の方は、気づいていたのかもしれません。オウムの抱えていた心の闇というものが、自分自身の中にも存在するということに。
もしかすると、世の中に起きる全てのこと…浮気、失恋、裏切りなど、ひどい仕打ちを受けたときは、自分自身のどこかにも相手と同じ気持ちが存在するんだと認めることで、許せるようになるのかもしれません。あくまでも、憶測ですけれど。

誰しもが心の中に持つ、闇。小説家なら、別の形(フィクション)を用いてそれを表現することも可能でしょう。けれど、村上春樹は、地下鉄サリン事件の被害者の言葉をそのまま用いて、闇を表現することを選択しました。心の闇というものは、平凡な日常の中にこそ、色濃く反映されるものではないでしょうか。
あの日だって、あの事件が起こるまでは、皆いつもと変わらない生活を送っていたのですから。

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08:55  |  村上春樹  |  コメント(4)

2011.04.07 (Thu)

村上春樹 雑文集

村上春樹 雑文集村上春樹 雑文集
(2011/01/31)
村上 春樹

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インタビュー、受賞の挨拶、海外版への序文、音楽論、書評、人物論、結婚式の祝電――。初収録エッセイから未発表超短編小説まで満載の、著者初の「雑文集」! (内容紹介より)

村上春樹は「かわいいオジサンだな」と思いました。
いきなり脱線しますが、最近の女子高生は何にでも「かわいい」という形容詞を用いる傾向がある、いかほどのものか…という意見を聞いたことがありました。宇宙人もかわいい、温水洋一もかわいい。まあそれらだって、ほんの微量ですが確かにかわいいという要素を含んでいるわけであり、意味をはき違えた表現でもないんですけど、何でもかわいいの一言で総括してしまうのはよろしくないと言うことなんでしょう。ちょっと脱線しましたが、この「雑文集」を読んで、わたくし「かわいいなあ村上春樹は」と思ったわけです。
そうですね、もし他の表現を使えと言うなら、「いつまでも少年のような人だなあ」とします。

冒頭にある牡蠣フライのエピソードが素晴らしいのです。
「原稿用紙四枚以内で自分について説明しなさいと言われたが書けない。どうすればいいか」
という質問が寄せられたのに対し、村上春樹はこんな回答をしています。
「原稿用紙四枚で自分自身を説明するのはほとんど不可能に近いですね。自分自身について書くのは不可能であっても、牡蠣フライについて書くことはできますよね。牡蠣フライについて書くことで、自分自身と牡蠣フライの間の相関関係や距離感が自動的に表現されることになるはずだから、自分自身を書くということにつながるのです」
なんで牡蠣フライなのかというと、村上春樹が牡蠣フライ好きだからです。ワハハ。
そして本当に「牡蠣フライの話」が掲載されています。牡蠣フライが、村上春樹の文章力により、どこかかっこよく洗練された物体として映る不思議。本当にこんな短編を書いてしまうあたり、やっぱり村上春樹は「かわいい」です。
また、牡蠣フライが美味しそうなんです。村上春樹の小説に出てくる食べ物はどれも描写がリアルで、読んでいるとお腹が空いてきてたまりません。

それからこの雑文集の中には様々な書籍が登場します。いつか読んでみたいと思わせるものが多く、忘れないために備忘録としてここに残しておきたいと思います。書評ではないけど許してください。
・安西水丸 「平成版 普通の人」・・・日常的な風景を書き、そこから急に無脈略へ転じる面白さ。
・チャンドラー 「ロング・グッドバイ」・・・何度読んでも色あせない文章の巧さ。
・グレイス・ペイリー 「歯ごたえ」・・・癖のある中毒的な文章。ごつごつしながらも流麗、ぶっきらぼうだが親切、二律背反的な文体を味わってみたい。。
・レイモンド・カーヴァー(人物紹介のみ)・・・理屈抜きで一気に読ませるドライブ感。思わず噴出すユーモア感覚。
・スコット・フィッツジェラルド 「偉大なるギャツビー」、「夜はやさし」・・・波乱万丈の人生、光を信じて小説を書き続けた作者の運命にただただ感服。
・ショーン・ウィルシー 「ああ、なんて素晴らしい!」・・・自伝的小説だが、「事実は小説より奇なり」を地で行く波乱万丈な内容。
・都築響一 「珍日本紀行」・・・特殊な面白さを見出せる、好奇心旺盛な作者。

小説のように、読んでカタルシスを感じる本ではありませんが、面白かったです。読み応えも充分なり。

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08:28  |  村上春樹  |  コメント(8)
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