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2011.01.28 (Fri)

重松清 なぎさの媚薬

海の見えるホテル (小学館文庫 し 5-1 なぎさの媚薬 1)海の見えるホテル (小学館文庫 し 5-1 なぎさの媚薬 1)
(2007/12/04)
重松 清

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渋谷の街に現われる娼婦・なぎさ。情事の後、彼女から渡される媚薬を服んだ男たちはみな、青春時代に戻り、当時憧れていた女性とセックスをする夢を見るという。しかし、どうしたらなぎさに会えるのかは誰も知らない。噂では、深い孤独を背負った男だけをなぎさが選ぶのだという。そしてなぎさは、仕事や生活に疲れ切った2人の男の前に姿を現わした。中学時代に行き初恋の同級生への思いを遂げた男の1人は、いう。「人生に疲れてしまったら、わかる。思い出の中に初恋のひとがいることが、そのひとの幸せを祈ることが、ささやかな生きる支えになるんだ」――。直木賞作家による"青春童貞小説"。 (内容紹介より)

ハードカバーで四冊も出ているシリーズ作品。なかなかの官能度と聞いていたので、非常に読みたかったワタクシ。図書館に置いてあったので、四冊のうち二冊を、既に昨年のうちに読んでいたのです。
おおお、おもしろいぞ!!!
残り二冊は別の人が借りていたのですが、何度見に行っても返却されておらず、「どこの誰だか知らんが、早く読めーーーーー」と言いたいところを我慢し、辛抱して待ちました。予約するのもちょっと恥ずかしかったんだよー。で、頑張って待った末、とうとう残りの二冊を手にしたジャイ。朝借りて、昼には読み終えていました。

ということで、四冊読んだところでの感想です。
確かにこれは、普通の小説より性描写が多く、それも色々なジャンル(?)のが出てきて非常にアダルトな仕上がりです。
でも、これは「官能小説」ではありません。
だって、官能小説と呼んでしまうと、「官能」の部分が主軸になるってことでしょう。
確かにページ数で考慮すると官能部分の多さは否定できません。が、根底にあるのは別のテーマなのです。
それに気付くと、小説を読んでも、全くドキドキする気持ちにならないのです。
ちなみに、結構えげつない性描写もあるため、読んでいて不快になることも。でも、小説風に言えば、ここで目をそらしちゃダメなんです。見せられることで、色々と考えさせられます。

突き詰めていくと、男と女はそれぞれが不完全な存在だということ。
この小説は、一人の女性の不幸な人生を、女性を愛した男が変えていくという物語です。不幸な人生の先に待つものは、死。それを一人の男が阻止するのです。
言い換えれば、男の存在ひとつで女は人生を変えていける。どんなことがあっても、強く乗り越えていける。それだけ、女にとっての男とは大きな存在なのです。
特に、三冊目の「エリカ」という女性は、本当に強かった。ジャイは読んでいて涙が止まらなかったです。
女は、男によって強くなりました。
また、女を救った男も、現実世界において生きる希望を見出したのです。
このテーマを書ききるために、官能は絶対に欠かせない。必要エロと言ったところだろうか?

余談になりますが、救うのが「過去の女性」というところで感じたことを一つ。
男性は、昔好きになった、または付き合った女性のことを結構鮮明に覚えているものではないでしょうか(って、ジャイの思い込みでしょうか)
この小説がもし「女が、過去に愛した男の人生を救う」という逆の設定だったら、女はわざわざ助けに行くだろうか?と思ったりしました。って、こりゃひどい感想だ。
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テーマ : 最近読んだ本 - ジャンル : 本・雑誌

09:38  |  重松清  |  コメント(2)

2010.12.19 (Sun)

重松清 とんび

オススメ小説、出ました。

とんびとんび
(2008/10/31)
重松 清

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つらいときは、ここに帰ってくればいい。昭和37年、ヤスさん28歳の秋、長男アキラが生まれた。愛妻・美佐子さんと、我が子の成長を見守る日々は、幼い頃に親と離別したヤスさんにとって、ようやく手に入れた「家族」のぬくもりだった。しかし、その幸福は、突然の悲劇によって打ち砕かれてしまう―。我が子の幸せだけを願いながら悪戦苦闘する父親の、喜びと哀しみを丹念に描き上げた、重松清渾身の長編小説。(BOOKSより)

感動しました。
息子アキラが産まれてから28年間の長い年月が紡ぐ物語です。
奇しくも、28歳という年齢は主人公のヤスさんが父親になった年齢と同じです。

共感できる箇所がたくさんあって、「わかる~この気持ち!」と誰もが感じるはずです。
反抗期の頃って、親戚や知り合いのお見舞いに行くのが、何となく恥ずかしかったりしませんでしたか。
私はそうでしたね… 今では平気なのに、ほんと不思議ですけど。

涙腺を刺激する箇所がたくさん出てきます。
個人的な意見ですが、感動を与えてくれる一番のキーマンは、実はヤスさんやアキラではなく、
海雲和尚という登場人物だと思います。
和尚が、海でヤスさんと小さいアキラに話したこと。
成人式を迎えたアキラに託された、和尚からの手紙。
特に、手紙の内容を読んだら、おそらくこの小説を読んだ読者のうち8割の方は泣くでしょう。
(ちなみに私は、この内容を後から思い出しただけでも泣きます。)

どんな人間でも、他人から支えられて生きてきたはず。
改めて、人間の愛って偉大だなと感じます。

小説の中で、ヤスさんは「やりたい放題」の父親でした。
読んでいて眉をひそめたくなるような、自分のことしか考えていない父親そのものでした。
子供は必ず親から巣立っていくし、親の希望通りの人生を歩むわけがないのです。
そのはずなのに、子供が望む生き方に賛同できないお父さん。
何度もアキラと衝突し、アキラを傷つけ、自分も傷ついているヤスさん。
ヤスさん自身が未だ親になりきれていないのだ、という印象でした。序盤では。

けれども、それが変わっていくのです。
年月が過ぎ、多くの出来事を経て、ヤスさんは親になりました。
小説のラストで、アキラは、ある事情を持つフィアンセを連れてきます。
正直、自分がヤスさんの立場だったら、受け入れるのにかなりの時間がかかると思いました。
いや、もしかしたら、結婚自体許せないかもしれないな。
それでもヤスさんは違いました。
アキラの選んだ女性だから、アキラに惚れてくれた女性だからと、フィアンセを受け入れたのです。
受け入れたのは、フィアンセだけではありません。
あまり喋るとネタバレになって面白くありませんが、健介という男の子をヤスさんは本当に心から愛します。
どうしてそんなことができるんだろう。
私がヤスさんに追い抜かれた瞬間でした。

ヤスさんとアキラだけでなく、脇を固める登場人物が素晴らしいです。
和尚もしかり。これだけ素晴らしい人達に守られていたから、アキラはあんないい子に育ったのだなあと
思わずにいられませんでした。

テーマ : オススメの本 - ジャンル : 本・雑誌

09:43  |  重松清  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2010.12.11 (Sat)

白石一文 砂の上のあなた

ちょっと寄り道して、個人的に気になった本を読む。

砂の上のあなた砂の上のあなた
(2010/09)
白石 一文

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ひとかけらでいい。僕が死んだら、愛する女性の骨と一緒に眠らせてほしい。最愛の父に愛人がいた…。見知らぬ男からもたらされたのは、娘が最も知りたくなかった事実。しかし亡き父の妄執は、35歳の主婦・美砂子の結婚生活にまで影を落としていく。ぬるく濁った世の中を貫けるのは、時間の流れをもねじ伏せるほどの「強い感情」だけなのか―。圧倒的長編小説。 (BOOKSより)

途中までは、面白いけれど普通というイメージの小説でした。
けれど、後半あたりから、登場人物同士の交友関係&血縁関係を洗い出し真実を明らかにしていく、少しミステリー色が入った展開になっています。
人間関係はスゴイの一言でした。主要登場人物がほぼ全員なんらかの形で相関図に含まれてゆくのです。次々と明らかになっていくくだりは、読んでると混乱してきます。普段ジャイは速読をしてるのですが、今回はじっくりと人間関係を理解するために読みました。

既に亡くなっている主人公の父がキーパーソンですが、圧倒的な存在感です。
直筆の手紙とわずかな過去のエピソードでしか、人柄を推測することはできません。
それなのに、小説を読んでいると、父の胸中に抱いていた気持ちが大波のように押し寄せてきます。
ザバーン
って、すみません。ボケるところじゃないんですけど~。
父が想い続けた、とある女性への愛が、世代を超越して様々な人間を巻き込んでいくのです。
まさに「因縁」。この小説にて、一番大きなテーマとなっています。

にしても、白石さんは男性なのに、女性の心理を書くのがうまいです。
「女が化粧をしておしゃれをするのは子供を産むため。男を誘うため。そういうのって超くだらないよね」
「結婚したら子供を作らなきゃいけないような雰囲気になるのは、昔から言われ無き女性への弾圧だって思ってた」
女性の心理がリアルに表現されている。それってもしかすると、男性側の心理もリアルに表現されているということか?
白石作品の男性は非常に独特な理論を展開することが多いのですが、世の男性も、頭の中ではこんな風に考えているのでしょうか??
よく「男は単純」って聞きますが。どうなんでしょう、男とは。

あとは「子供」についての考察も鋭い視点で書かれていました。
連れ子がいる再婚の場合、最初こそ連れ子を可愛がっていたものの、自分の子供が出来た途端に目もくれなくなってしまったというエピソード。
遠くの国で飢えたり戦争に巻き込まれたりしている子供がいるのに、自分の子供の幸福だけを祈っている矛盾。
自分の子供だけが子供じゃないのに。
おかしい気もするけど、これが多数派の真実でもあるわけです。全ての人に当てはまることではないですけど。
女性は子供を愛する生き物、とは断定できないのでしょう。
自分が産んだ子供については、やはり最大の責任が生じるわけで、何を差し置いても一番になるというのは当然の事かと思うのですけど。

最後に、この小説の残念なところを一つだけ。
とある計画を企てた悪い男二人が出てくるのですが、何らかの形で天誅を与えてほしかったです。彼らを含めた人間関係についての結末を書かなかったのは、わざとなのでしょうか。

テーマ : 最近読んだ本 - ジャンル : 本・雑誌

09:36  |  白石一文  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2010.11.02 (Tue)

白石一文 ほかならぬ人へ

ほかならぬ人へほかならぬ人へ
(2009/10/27)
白石 一文

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「ほかならぬ人へ」
二十七歳の宇津木明生は、財閥の家系に生まれた大学教授を父に持ち、学究の道に進んだ二人の兄を持つ、人も羨むエリート家系出身である。しかし、彼は胸のうちで、いつもこうつぶやいていた。「俺はきっと生まれそこなったんだ」。
サッカー好きの明生は周囲の反対を押し切ってスポーツ用品メーカーに就職し、また二年前に接待のため出かけた池袋のキャバクラで美人のなずなと出会い、これまた周囲の反対を押し切って彼女と結婚した。
しかし、なずなは突然明生に対して、「過去につき合っていた真一のことが気になって夜も眠れなくなった」と打ち明ける。真一というのは夫婦でパン屋を経営している二枚目の男だ。「少しだけ時間が欲しい。その間は私のことを忘れて欲しいの」となずなはいう。
その後、今度は真一の妻から明生に連絡が入る。彼女が言うには、妻のなずなと真一の関係は結婚後もずっと続いていたのだ、と。真一との間をなずなに対して問いただしたところ、なずなは逆上して遂に家出をしてしまう。
失意の明生は一方で、個人的な相談をするうちに、職場の先輩である三十三歳の東海倫子に惹かれていく。彼女は容姿こそお世辞にも美人とはいえないものの、営業テクニックから人間性に至るまで、とにかく信頼できる人物だった。
やがて、なずなの身に衝撃的な出来事が起こり、明生は…。

(アマゾン内容紹介より) 長っ!


白石一文さんはワタシの大好きな作家のひとりです。
そして今回読もうと思って選んだこの本は、去年の直木賞受賞作でした。
まー、別にどんな賞をもらってようと、ジャイにはあまり関係ないです。
白石一文を知らない人にしてみれば、読んでみようとする、いいきっかけになりますよね。
でもまた逆に、直木賞受賞作ってフィルターかけた状態で小説を読むっていうのは、良し悪しあると思うんだよなー。

白石一文の作品は「死」をテーマに取り上げることが多く、読んでいて「ああ~今回のも白石テイストもりもりだなあ」と感じることが多いのですが、今回は途中までそんな感じがなかったです。あれれ?と思いながら読んでくと、ああやっぱり・・・ 今回も「死」が出てきます。しかも、ネタバレになるからあまり書きませんが、ストーリーの中で一番明るく輝いている人が死んでしまいます。

物語の中で、主人公は「自分にベストの相手を見つけた人は、全員そういう証拠を手に入れているんだ。そういうベストを見つけられたら成功なんだよ」というセリフを口にします。
そして、最後の最後で主人公は、自分がその「ベスト」を無意識のうちに見つけていたことを知るのです。

紆余曲折あって運命の相手と結ばれるというのは、白石一文の別の作品「私という運命について」と似たようなところがあると思います。

白石作品の特長は、
バッドエンドではないのですが、ハッピーエンドと呼ぶほどハッピーではなく、しかし心の中に「これで良かったんだな、きっと」という、小さな花が咲くような・・・感じです。

いい小説です
前回読んだ小説と違って、おすすめです


全然関係ないですけど、今日車で出かけたら、運転席のクッションをどこかに落としてきてしまったぞー。
なんでそんなもの落とすのだ。
そしてなんで気付かん??
夫よ、ごめんなさい。同じクッション、どこかで見つかるといいなあ・・・

テーマ : 紹介したい本 - ジャンル : 本・雑誌

15:00  |  白石一文  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2010.10.31 (Sun)

柴崎友香  寝ても覚めても

寝ても覚めても寝ても覚めても
(2010/09/17)
柴崎 友香

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人は、人のどこに恋をするんだろう?消えた恋人・麦を忘れられない朝子。ある日、麦に顔がそっくりな人が現れて、彼女は恋に落ちるが…朝子22歳から31歳までの“10年の恋”を描く各紙誌絶賛の話題作。(BOOKデータベースより)

各紙絶賛の話題作、そして柴崎友香の最高傑作というフレーズに惹かれ、読んでみました。
はい。ワタシ、ミーハーです。

んで感想ですが、この小説については・・・
読む人によってパックリ分かれると思います。賛否両論ある小説だと思います。

まず「ん?」と感じたのは、物語の本筋に関係ない風景や人物の描写がとても多いことです。
「この文章は、関係ないように見せかけて、物語のヒントが隠されているはずだ。ようししっかり覚えておこう(←いやいや、推理小説じゃないんだから~)」と最初こそ思いましたが、あとからあとから同じような文章がたくさん出てきます。
たぶん、関係ない文章を抜いたら、この本の厚さは4分の3くらいになると思います。

物語は淡々と進みます。
10年という長い年月を綴った小説ですが、いろいろな出来事が起きているのに、あまり波風が立っていない風に感じられます。
物語の後半でストーリーは大きな転換点を迎えます。
面白くなってくるんですが、なぜかその部分も派手に盛り上がりません。
きっとこれは、前述した「関係ない描写」が大きな効果をあげてるんじゃないかと思います。

こんな感想だと「微妙な小説」で終わってしまいそうですが・・・
なぜか、この小説は、読んでいる自分を本へ引き込む力が強いんです。
本当に物語の主人公になって、物語を進めているような感覚に陥ります。
いい言葉が見つからないけど、トリップしてるような感じです。
小説の語り口が、主人公の一人称になってるというのも理由かなあー。
賛否両論ある小説とは思いますが、読み手を引き込む魅力を持っているという点では、チカラのある小説ということになるんではないでしょうか。

読んでみた、他の方の意見も聞いてみたい小説です。

今回は「おすすめだよ」という視点ではなく、なかなかまあ興味深い小説ということで、難しいけど感想をかいてみることにしたのでした。
おわり。

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17:40  |  柴崎友香  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)
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