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2011.12.18 (Sun)

森見登美彦 美女と竹林

美女と竹林美女と竹林
(2008/08/21)
森見 登美彦

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美女に会ったら伝えてくれ。俺は嫁を大事にする男だと。妄想と執筆に明け暮れた、多忙にして過酷な日々。森見登美彦氏を支えてくれたのは、竹林であった。美女ではないのが、どうにも遺憾である。虚実いりまぜて、タケノコと一緒に煮込んだ、人気文士の随筆集。(BOOKデータベースより)

初めて読んだのは3年前のこと。
なぜに今、私はこの小説の感想文を書くのか。はい、理由は簡単、最近読み返したからです。
森見登美彦の著書のなかでは「随筆なのか小説なのかよく分からない」とか「ダラダラしてる」とか、結構酷評で語られることの多い本です。でも、私はこの小説がとても好きなのです。
まあ酷評だって「森見氏ほどの筆力があるなら、もっと内容あるものを書けるだろう」という期待から生まれたものなんだと思いますが。

私自身が森見登美彦ファンであり、ファンなら何でも良く見える(恋は盲目と同じ)という可能性だって無きにしも非ずなのですが、この本は面白いと思います。うん、面白い。

私自身の中では、小説を面白いと感じる一つの物差しとなっているのが「どれだけ違う世界に飛ばしてくれるか」です。まあ、そこは多種多様な嗜好があって然るべきです。どれだけ心に訴えるものがあるか、どれだけ知識を習得できるか、どれだけ癒しが得られるか。逆に言えば小説の存在意義って、画一的には表現できないと感じます。そして繰り返しになりますが私の中では「どれだけぶっ飛ばしてくれるか」が面白さの基準。

好きな作家を言えと言われたら、とりあえずカズオ・イシグロと森見登美彦が挙がります。
カズオ・イシグロの小説は、緑が多く穏やかで端正な、少し昔のイギリスへトリップさせてくれます。それは決して異世界ではなくて、あくまでも現実世界のイギリスへ。不思議ですがカズオ・イシグロの小説を読むと景色だけでなく匂いまでが伝わってくる気がします。それがたまらない。読んでいると何もかもを忘れてしまい、まるで幽体離脱したように、体は日本に残して精神だけイギリスに飛ばされちゃった!というような素敵な時間が過ごせます。

対して森見登美彦の場合は、大部分の著書の舞台が京都です。なので、当然ですが、小説を読むと京都へトリップします。けれど、飛ばされた先の京都は、なんだかぐにゃりとしているのです。異世界と現実世界の狭間というか、ファンタジーを強く感じさせる摩訶不思議な世界なのです。だから、飛ばされた感は、カズオ・イシグロより森見登美彦小説のほうが強いです。

長くなりましたが、この「美女と竹林」を読んでいても、なぜか異世界に飛ばされてしまいます。
「竹を刈る」だけの物語なのですが、それだけなのに、うーん。どうして飛ばされる??

最初に述べたとおり「これは小説ではない」と酷評もちらほら聞かれる本ではありますが、そもそも、ただダラダラ書きたいことを適当に連ねたという状態で完成させた作品を、実際にハードカバーの本として出版するでしょうか。
個人的には森見登美彦の意図的な技巧を感じる、随筆のような形を取っているけどかなり遠くまでぶっ飛ばしてくれる、かなりの力を秘めた本なのではないかと感じるのですが…
これってやっぱり「恋は盲目」状態なのかなあー。うーん。
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10:25  |  森見登美彦  |  コメント(4)

2010.11.25 (Thu)

森見登美彦 きつねのはなし

好きな作家なのに、このブログで全然紹介できずにいた、森見登美彦さんの小説を再読。

きつねのはなしきつねのはなし
(2006/10/28)
森見 登美彦

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「知り合いから妙なケモノをもらってね」篭の中で何かが身じろぎする気配がした。古道具店の主から風呂敷包みを託された青年が訪れた、奇妙な屋敷。彼はそこで魔に魅入られたのか(表題作)。通夜の後、男たちの酒宴が始まった。やがて先代より預かったという“家宝”を持った女が現われて(「水神」)。闇に蟠るもの、おまえの名は?底知れぬ謎を秘めた古都を舞台に描く、漆黒の作品集。(BOOKSより)

森見作品に抱いていたイメージをいい意味で裏切る小説です。
「もふもふ」とか「むにむに」とか、かわいい擬音は一切出てきません。
国語の教科書のような、美しく理路整然とした文章が、妖しい異世界へ誘ってくれます。

4つの短編から構成されているが、さりげな~くリンクされています。
普段の森見作品が京都の「陽」を表現しているなら、今回は「陰」です。
派手な性格の登場人物は出てきません。
この小説では「人間」を前面に押し出していないように感じられます。

伏見稲荷。灯篭。夜祭の赤く滲んだような光。
華やかな色であるはずの「赤」が、この小説の中ではものすごく不気味です。
そして、時折出てくる「水」の描写が、ジメジメ度を増長させています。

舞台が京都でないと、この小説はここまで不気味な作品にはなっていないでしょう。
確かに、京都という都市には、「物の怪」とか「怪談」のイメージもありますよね。
きつね、たぬき。
・・・個人的にはたぬきの話のほうが面白かったかもしれません。

そしてまた、結局最後まで読んでいても、結論がハッキリしないのです。
ナツメさんという人はいったい何だったんだろう。
むちゃくちゃだが、もしかしてナツメさんも実はきつねというオチだったり!?なんて予想したりしました。
結局のところ、謎は謎のまま終わります。
不完全燃焼な気分で読み終えてしまいますが、この小説はそういう読み方を楽しむものなんだと思います。
だって、「物の怪」の真相が明かされてしまったら、なんか興ざめというか、つまらないじゃん

オチがないぶん、再読しても楽しめるんですよね

「君の顔がケモノに見えて―」
もしかしたら、ケモノは、私たちのすぐ近くにいるかもしれません。

余談ですが、「果実の中の龍」に、ちょっとだけ森見作品っぽい、つまらん偏屈学生が出てきます。
話していることの、どこからどこまでが本当の話か分からない、というのは「美女と竹林」に通じるところがありますね。
それなのに、一方ではギャグになり、一方ではミステリアスになるんです。

そして全然関係ないけど、京都の学生さんは四畳半の部屋に住むのが当たり前なんでしょうか・・・
私、そんな狭いところにいたら発狂してしまうかも。

テーマ : 最近読んだ本 - ジャンル : 本・雑誌

09:30  |  森見登美彦  |  トラックバック(0)  |  コメント(4)

2010.11.09 (Tue)

森見登美彦 ペンギン・ハイウェイ


ペンギン・ハイウェイペンギン・ハイウェイ
(2010/05/29)
森見 登美彦

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小学4年生のぼくが住む郊外の街に突然ペンギンたちが現れた。この事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎の研究を始めるが―。冒険と驚きに満ちた長編小説。(BOOKSより)

森見登美彦愛読者から見ると「斬新!」と思える作品でした。
これまでの森見作品のイメージと真逆かも。
ペンギン・ハイウェイの世界は、爽快な青空が広がり、白い家が並び、近未来的な街並みの印象。
京都は出てこない。変な大学生も出てこない。
そもそも、主人公は小学生なのだから。

コーヒーの表現だって違うのだ。
ペンギン~では「コーヒー」だけど、「夜は短し歩けよ乙女」では「珈琲」なのだ!
(こまかい・・・)
きっと、ペンギン~を読んでから他の森見作品を読むと、「濃っ!!」と思うことでしょう。

主人公の小学生が、偏屈なんだがとても可愛いのです。
頭が良いのに恋愛のことには鈍感だったり。
本当のコーヒーに憧れて、コーヒーに入れる砂糖を少しずつ減らしたり。
結構冷静で切れ者な主人公だけど、やっぱり小学生なんであって、取る行動が奇想天外、大胆不敵だったりする。
小説で笑えるって、ありそうでなかなか無いことだと思います。

小説の鍵となっているのはチチであります。

チチにも二つあり、
一つ目は主人公のチチ(父)。
物語の中盤と終盤で、父と会話するシーンが出てくるが、大きなヒントを与えてくれる役目を持っています。

もう一つはチチ(乳)。
これは読んでみたら分かりますよ~ん。

小説ラストは、ほんのり甘酸っぱい初恋の味がします。
涙が出そうになりました。
いい小説でした。




全然関係ないけど、
ふ
・・・だそうです。
麩、おいしいですよねー。
すき焼きの具、麩だけでもイイゾって思うくらい好き!!!(あほ?)
ジャイんちでは常備してます♪

テーマ : 紹介したい本 - ジャンル : 本・雑誌

14:45  |  森見登美彦  |  トラックバック(0)  |  コメント(4)
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