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2011.07.06 (Wed)

新井素子 もいちどあなたにあいたいな

もいちどあなたにあいたいなもいちどあなたにあいたいな
(2010/01)
新井 素子

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なんだか変!いったい何が起きてるの?大好きな和おばさんは、愛娘を亡くして大きなショックを受けているはず、だからあたしが力づけなくちゃ。でも、それにしても。―何かがおかしい。澪湖は、その謎を探り始める。失われた記憶と、関係のなかで醸成され増幅される呪詛…著者ならではの軽妙な文体でつづる濃密な物語。(BOOKデータベースより)

うーーーーん。
読みはじめと読み終わりで、本に対する感想が180度変わってしまいました。
そういう書き方をしたということは、読後には「残念だった」と感じてしまったということです。序盤が面白くて、「これは絶対書評を書かなきゃ!」と思っていた分、余計にがっかりしてしまいます。

小説のあらすじを概略すると、主人公の澪湖という女の子が、親戚の和おばさん(やまとおばさん、略して「やまとばちゃん」と呼んでいる)の様子を「おかしい」と感じ始め、その謎を探るというものです。
読み始めは面白い。語られる過去の断片的なエピソードが、本編にどう絡んでくるのか。わくわく、気になって仕方ありません。
主要な登場人物によって、小説の一人称が入れ替わってゆきます。エピソードはやまとばちゃん。次に澪湖。そして澪湖の父親・大介、母親・陽湖と続きます。

読んでいくと、いきなり大きなブレーキがかかります。
まず、澪湖パートの一人称の語り口が独特すぎて、そして取りとめがなさすぎて、ついていけない。
ぐわあ、読みづらいわっ。
そして。だから。読みづらいのです、まる。
んで、どんなに読みづらいと思ってるのよおっ。

…こんな感じです。ちなみに澪湖は21歳。中学生ではありません。
しかも、あまり理路整然と自分の思っていることを言葉にできないらしく、私の感想は「あまり頭のよくない子」。毒舌だ、まる。説明が下手なのは父親の大介に似たんだと思うのですが(ここは小説を読んだ人だけ共感してください)、小説を読んでいるこちら側としては結構辛いです。

だからこそ、登場人物の一人、オタクの木塚君の存在が貴重になってきます。
木塚君がいないと、この小説は成立しません。
やまとばちゃんの謎だって、全て木塚君が一人で解決しています。逆に言えば謎解きに要するハラハラドキドキがありません。まあ推理小説ではないのだからいいんですけど。
そして、やまとばちゃんに隠された過去も全てが明らかにされるわけではなく、いささか不完全燃焼気味ではありました。

そしてこの小説のもうひとつのブレーキが、母親・陽湖の一人称パート。
このパートは、独立させて一冊の小説にしてしまったほうがよいのでは、という内容でした。
メインのストーリーにはあまり関係してこず、家族に対する愚痴が延々と続きます。なんだか致命的なことですが、この小説においては、このパートの存在意義がなんなのか分かりません。
けれど、言っていることは非常に共感できます。
だからこそ、一冊の小説として独立させてしまえばよかったのに、なんて思うわけですが。

陽湖は「卑怯階級」という言葉を使います。
陽湖は仕事を続けながら家庭を支えてきたわけですが、共働きで澪湖の養育に不安があったため、大介の両親と同居していました。そこで女性陣が全員インフルエンザに罹ってしまいました。女性陣が動けない中、男性陣は何をしたかというと、何もしなかったのです。病人の介護もせず、家事もせず。いや正確に言えば、大介は洗濯物を干すのを手伝ったんだけど、干し方が下手だったため、再度洗濯をする羽目に。この家の男性陣は家事に関して「無能力」であり、女性陣が苦しんでいるのを知っていても平気な顔してTV観て、何事もなかったように仕事に行くのです。
陽湖は、そんな男性陣のことを「卑怯階級」と呼びました。
確かに、「できないから、やらなくていい」は卑怯です。面倒なことは全て女任せ。子供が病気になったら看護するのは女と決め付ける。こういう男性は昔に比べて随分減ったと思うんですが、絶滅はしていないと思います。
新井素子さん、よく言ってくれた!!
本編ストーリーは微妙でしたが(すみません)、この「卑怯階級」の話は面白かった。
今後、そういう男性が現れたら使ってみようと思います。面と向かって「君は卑怯階級だ」なんては言えませんが、心の中でこっそりと♪

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06:56  |  新井素子  |  コメント(2)
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