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2011.11.12 (Sat)

乾くるみ リピート

リピートリピート
(2004/10/23)
乾 くるみ

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「リピート」―それは、現在の記憶を保ったまま過去の自分に戻って人生をやり直す時間旅行のこと。様々な思惑を胸にこの「リピート」に臨んだ十人の男女が、なぜか次々と不可解な死を迎えて…。独自の捜査に着手した彼らの前に立ちはだかる殺人鬼の正体とは?あらゆるジャンルの面白さを詰めこんだ超絶エンタテインメントここに登場。(BOOKデータベースより)

「イニシエーション・ラブ」が代表作である、乾くるみ氏の小説。
こちら、イニシエーション~とは違った毛色でしたが面白かったです。一つのテーマに沿って物語が進んでゆき、その謎が解き明かされる過程も面白いんだけれども、他にもたくさん得られるものがある小説です。
神社へ初詣にいったのに、「フランクフルトはいかが」「たこ焼きはいらんかね」と、行く手を阻むおいしそうな出店に気を取られてなかなか参拝できない、なんてことは誰にでもあるでしょう。そんな感じです。とにかく考えさせられる要素が多いです。

世の中には「性善説」を支持するヒトと「性悪説」を支持するヒトがいます。
(※性善説…人間の本質は善である、性悪説…人間の本質は悪である、善とは偽なのだというもの)
どちらに属するかで、この小説の感想は大きく変わってくるのではないかと感じます。
「性悪説」支持者なら楽しく読めること請け合い。主人公のエゴイストぶりがたまらないのです。非常に人間臭い。
…そうです、私は性悪説支持者です。ポジティブなのに性悪説です。因果関係がありそうに感じるけど実際のところは薄いのでしょう。まあこれは置いておいて…

ネタバレにならないように書きたいと思ったのですが、上記BOOKデータベースにあらすじが載っていましたね。
主人公は「リピート」という時間旅行をする権利を得た人間です。現在の記憶を持ったまま、過去に戻れるということです。つまり、何が起きるのかを知っているから、ある程度のことは自分の思うとおりに動かせるわけです。競馬で儲けるのも一興、新聞社へニュースのタレコミを行うのも一興。小さいアクシデントを回避するのも一興。
もし自分自身が「リピート」することができたら、どのように感じるでしょうか。
自分が雲上人になったかのように感じてしまうのではないでしょうか。
そして同時に周りを蔑んでいくでしょう。自分は競馬で一瞬のうちに大金を稼ぐことができるのに、周りはちびちびと働いて小銭を得るしかできないんだと。
小説の中では、そういう心理状態がものすごくリアルに表現されていると思います。
力のあるものが、力の無いものを見下す様子が。
強大な力を持ってしまった主人公が、次々と弱者を切り捨てていこうとする様子が。

悲しいようだけど、この小説の構図は、現代日本を縮尺しているようにも感じられるのです。
だからなのかなあ、フィクションなんだけれど妙にリアルなのです。
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テーマ : 最近読んだ本 - ジャンル : 本・雑誌

09:03  |  乾くるみ  |  コメント(2)
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