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2011.03.06 (Sun)

中条省平 小説家になる!

小説家になる!―芥川賞・直木賞だって狙える12講 (ちくま文庫)小説家になる!―芥川賞・直木賞だって狙える12講 (ちくま文庫)
(2006/11)
中条 省平

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中公新人賞、朝日広告賞最高賞他、受賞多数。CWS「創作学校」中条省平の熱気と愛に満ちた講義を12講にまとめた本格的作家養成ライヴ本。具体的かつわかりやすい内容で、新人賞への道が見えてくる(MARCデータベースより)

最初に言っておきますが、私は小説家になりたいわけではありません。
ブック○フでこの本を見つけて、立ち読みしてみたら予想外の面白さだったので、購入を決意したというわけです。
予想外というのは… この本、小説の新人賞を獲るためのノウハウ本ではないんですよ。
「小説家になる!」ではなくて、「小説を読む!」というタイトルのほうが、しっくりくる内容です。
最近は小説家を志望する方が増えてきているといいます。確かに、私も小説を書いてみたい気持ちにかられたことがあります。面白そうだし。やあ、そういえば、過去のブログに意味不明なショートショートを載せてしまったことがあったなあ。あれを書いていて感じましたが、「書くこと」だけなら誰でもできます。
小説家になりたいという夢を志す人にとって、この本のタイトルは非常に魅力的なものに写るでしょう。でも、冷静になって考えると、そんなノウハウ本なんてあるわけないんです。大学受験や公務員試験なら「傾向と対策」に沿った勉強ができるけれど、小説の新人賞でそれがあったら、この世は小説家であふれかえってしまいます。しかも、そうやって誕生した作家たちの小説の作風は似たり寄ったり。だって同じノウハウ本を読んでるんだから。…そんなの、面白くないでしょう。

ちょっと脱線しましたが、この本は、タイトル的には非常によろしくないと思います。でも、書いてある内容は面白いです。この本に書いてある知識を持ちながら小説を読めば、隠されたテクニックや作者の伝えたかった心情が、ぱっと浮き出てくるようになるかもしれません。
優れた小説とは、ここまで計算されて書かれているものだったのか!と舌を巻きました。

実際の小説を12編引用して、それに用いられているテクニックや表現を細かく解説しています。
どれも面白いんですけど、一番笑った(ほんとうに笑いました)ところを紹介します。
なんと、実在する「黒豹ダブルダウン」という小説を、反面教師として引用しているのです。
(引用)青色が「黒豹~」です
尾根の途中に小さな祠があって、誰が供えたのか、すっかり乾ききった饅頭が二つ、石の供え台の上に置いてあった。どことなく、寂しげな置き方だ。白い饅頭の川に夕日が当たって、宝石のような艶を放っている。
「すっかり乾ききった」と言ったばかりなのに「宝石のような艶を放っている」とは何事ですか。その上「寂しげ」なのに「宝石のよう」ではイメージがばらばらです。「誰が供えたのか」ってそんなこと心配してる場合か。
黒木は立ち止まって、黄金色の海に浮かぶ、大島小島を眺めた。それらの多くは無人島で、棲んでいる動物といえば海鳥か蛇くらいのものだろう。
どういう根拠があって「海鳥か蛇くらいのもの」と断定するのだろう。
彼はそれらの島々に神秘を感じた。
「海鳥か蛇くらいのもの」と高を括っておいて、「神秘」はないでしょう。

「黒豹~」には申し訳ないですが、ここまでケチョンケチョンにされた批評を読んだのは初めてです。大爆笑してしまいました。
黒豹(くろひょう)も、読み方を少し変えると「こくひょう=酷評」だなあ、なんて感じました。
…これ、自分で考えてちょっといいかもなんて思いましたが、すでにあるギャグだったらごめんなさい。

反面教師として紹介しているのはこの「黒豹~」のみです。他は三島由紀夫やフロベールなどの作品に触れ、真面目な解説を加えています。読み物として楽しめる、そんな一冊かと思います。

テーマ : 最近読んだ本 - ジャンル : 本・雑誌

08:42  |  小説以外(実用)  |  コメント(2)

Comment

「こくひょう=酷評」。これは、斬新だと思いますよ。

確かにこの酷評に笑いますね。
この寸評自体は、あまりセンスを感じません。
でもジャイさんには、得るところの多い解説書だったのですよね? う~ん、気になります。
キヨハラ |  2011.03.06(日) 18:07 | URL |  【編集】

Re: タイトルなし

キヨハラさん

コメントありがとうございます。
今更言うのも何ですが、自分のレビューの書き方、あまり良くないなと思いました。
黒豹だけ紹介して終わっていますね。
この本は、普通に読んでいるだけでは気づかない文章のテクニックが書かれていて、私には目からウロコの一冊となりました。
例えば、言葉を効果的に用いて、意味を的確に伝える「レトリック」について。
小説のテーマを凝縮し、別の表現を用いて文中にはめこむ「ミーズ・アン・ナビーム」の手法について。

興味を持った「レトリック」については、「日本語のレトリック」という本を読んで勉強してみました。こっちもまたブログでご紹介したいと思います♪♪
ジャイ |  2011.03.06(日) 19:04 | URL |  【編集】

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