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2011.03.20 (Sun)

川上未映子 世界クッキー

世界クッキー世界クッキー
(2009/11/13)
川上 未映子

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体、言葉、季節、旅、本、日常など、あれこれ。「乳と卵」「ヘヴン」の川上未映子が放つ、魅惑のエッセイ集。 (BOOKデータベースより)

川上未映子の入門書として適した本かも、という感想です。
芥川賞受賞作家のエッセイ。非常に敷居の高いイメージがありましたが、面白かった。良い意味で芥川賞オーラを感じない書き方でした。新聞に投稿されたエッセイが多く、何となくどのエッセイも「公用語に翻訳されている」ようなイメージでした。
まあ、偉そうなことを言う私ですが、過去に「乳と卵」をちびっと読んだことしかありません。しかも当時は、独特の文章に混乱してしまったため途中棄権という結果だったぜチキショウ。今回「世界クッキー」を読んだことで、いい意味での足がかりができて、「乳と卵」に再挑戦しようかなという気持ちになれました。

何気ない日常を生きているこの瞬間に対し抽象的な疑問・不安を見出し、言葉というかたちあるものに変換して、的確に読者へ伝えることができる人なんだと思いました。いや、見出すというと能動的になってしまいますから、感じてしまうという表現のほうが適しているかもしれません。
けれどおそらく、人間はみな心の中でいろいろ考えながら日々を過ごしているんじゃないかと思います。おそらく、無意識に。深い深い水面下にあって感じ取れないだけです。川上さんはそれを拾い上げて文章に変換し、小説やエッセイにしている。
何気ない日常の感覚を文章に変換するというところが肝です。例えば、臨月の妊婦や受験を控えた高校生といった人間の心理は想像するのも簡単であり、たやすく文章化できてしまいます。川上さん自身も、「世界クッキー」の中でこう述べています。
(引用)人間の想像力と言うものについてぼんやりと思いを馳せると、~、もっとこう、普段に流れる日常にみっちりとはりついてあるものだなあ、ということに突き当たる。
川上さんの視点って、ものすごく斬新です。
あるのは普通の物体なのに、視点が違うんです。
銭湯に行って、若い体や老いた体を見て、それらも全て繋がっている自分の体だと認識したり。
喫茶店でお茶を飲みながら、ここにいる客全員が頭蓋骨を所有しているんだと気づいて動けなくなってみたり。
とにかくおもしろいんです。

川上未映子の文章は独特のリズムで読みづらいと思っていたけれど、それだって、主語があって述語があって…なんて定型化された文法と比較してのことです。それを無意識に求めている時点で「型にはまった読書」しかできていなかったんだなあと反省しました。定型化された文法では伝えきれない感情ってのもあるんだなと感じました。

テーマ : 最近読んだ本 - ジャンル : 本・雑誌

08:50  |  川上未映子  |  コメント(0)

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